施設ブログ
まだまだ未熟でごめんなさい
ある入居者様と時間を取って話していて、出てきた言葉が
「自分で自分の事が分からへんようになってしまった。どうしたいかも
決められへん。昔はこんなんでは無かったのに・・・」
又別の方も「自分で買ったものをどこに置いたか、思い出せへん。
今日が何日かも何度も何度も繰り返していないと思い出せへん・・・」
そして、二人とも「自分がどうなってしまうんやろ。
何が事実で何が思い込みなのかも分からん」と。
記憶のとどめ置きが難しくなってきている、自分を分かりながら
何とかしなければと必死にもがいている、この苦しさって
本当に共感出来なくて、それぞれ一人苦しんでいる現状。
勿論他に目を向ける事も、その瞬間を楽しむことも出来ますが、
その瞬間が去った後は皆、現実と向き合っているんですよね。
大丈夫と声をかける事は簡単ですが、何一つ本人の慰めにもなっては
決していなく、入居者様の方がこれ以上、納得も出来ない話に
付きあわせまいと話を打ち切っているのかも知れません。
究極この苦しみ、不安だけはなってみないと分かりません。
でも今の自分の出来る限りの想像をして、近づかないと
入居者様と本当に向き合っている事にもならないのかも知れません。
24時間そのことばかり考えては、飲み込まれてしまいますが
バランスとってしっかり向き合い、不安の取り除きは出来なくとも
ありのままを受け止める事なら出来る。
そんな場所があるだけでも、心は救われるのかも知れません。
まだまだ未熟ですが、もっともっと皆様がここに来てよかったと
思って頂ける場所になれるよう、思いをいっぱい教えて下さい。
どんなに自分が分からなくなっても、今こうやって苦しんで
でもしっかり前を向こうとしていた事、私は覚えています。
誰の役にも立たないって仰ってましたが、その生きざまを通して
少なくとも私に教えて下さっています。
ありがとう